航空地図(チャート)の見方と解説 - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

航空地図(チャート)の見方と解説

航空関連解説

どうもTAKE SKYのたけです。

今回は、「航空地図(チャート)の見方と解説」と題して

話していこうと思います。

 

ここのブログや動画でも、航空チャートを使用していますが、

「そもそも今一見方が分からないよ」と言う方の為に解説しようと思います。

 

先ず、飛行機は好きな所を、好きな様に飛んでいる訳ではなく、

必ずそこには道があります。

その道のことを「航空路」と言います。

 

この航空路の地図のことを「エンルートチャート」と言います。

九州地方のエンルートチャートです。

私たちの目には見えませんが、

上空には、これだけの道があります。

一つ目は、この「エンルートチャート」の解説をしたいと思います。

エンルートチャートの基本の見方

上図の白い線が航空路で、

基本的に無線施設のVOR局やVORTAC、DMEを結んでいます。

① 航空路の識別ナンバーで(国道〇〇号)みたいなものです。

② VOR局(超短波全方向式無線標識)の表示で、航空路の交差点に当たります。

③ ウェイポイントの表示で△と5文字のアルファベットで示します。

 

複雑になりますが、本物のエンルートチャートです。

これは福岡空港周辺のエンルートですが、

茶色の線は、VOR等の無線標識局を基本的に結んでおり、

主に無線標識を頼りに飛行するルートです。

水色の線は、「RNAVルート」といい

GPSにより飛行するルートで、

現在は主にこのルートで飛行計画を立てます。

 

航空路は基本一方通行になっており、

航空路の識別ナンバーの横の矢印が飛行方向になります。

 

制限空域等の表示

赤斜線枠は飛行制限空域を示しています。

R-121は制限空域の名称、

SFCは地上からという意味で、

地上から35000フィートまでが空域内という意味です。

 

グレーの斜線枠内は、

自衛隊訓練試験空域を示しています。

J1の空域は、地上から14000フィートまでが

空域内になります。

 

緑の斜線枠内は、民間訓練試験空域を示しています。

KS14-2の空域は、

3000フィートから8000フィート内という意味です。

 

航法無線支援施設のデーターBOX

下チャート左側の黒枠内は、

VORTACのデータを表示しています。

VORTACとは、民間無線標識局のVOR/DMEと

軍用無線標識局のTACAN (タカン) を融合させた無線標識局です。

 

FUKUOKAは「福岡VORTAC」であることを示し、

114.5は民間航空機が使用する無線周波数を、

DGCは、この施設の識別符号を表示しています。

その下の 92X は、軍用機の無線チャンネルを示し、

ー ・ ・ ー ー ・ は識別モールス符号を示しています。

 

尚、VORTAC記号を黒く塗りつぶしてあるのは、

義務位置通報点であることを示しています。

 

飛行場の記号

 

登録が必要ですが、日本のエンルートチャートが公開されています。

AIS JAPAN

SID(標準計器出発経路)とSTAR(標準計器到着経路)

二つ目は、SID(標準計器出発方式)とSTAR(標準計器到着経路)

についての解説です。

これは、航空路と空港を結ぶ(インターチェンジ)みたいなものです。

NAVGRAPHより引用

上図は長崎空港のSID(標準計器出発経路)で、

出発していく航空機が航空路まで行くためのチャートです。

このチャートは、出発する行先によって数種類ありますが、

その一部の「NORTH 1 DEPARTURE」で説明します。

 

長崎空港の滑走路を飛び立った航空機は、

最初に「PEARL」に向かいます。

そこから2方向に分かれますが、

これを「トランジョン」経由と言います。

壱岐トランジョンと福岡トランジョンのどちらかに向かいます。

PEARLの下の青い文字は通過高度で、

福岡トランジョンの場合は8000フィート以上、

それ以外は6000フィート以上という意味です。

ちなみに6000の上に線がある場合は、6000フィート未満、

6000の上下に線があると、6000フィートで通過せよということです。

 

 

 

そしてSTAR(標準計器到着経路)です。

NAVGRAPHより引用

同じく長崎空港のSTARです。

OHGIEまで航空路があり、ここからがSTARですが、

OHGIEを11,000フィート以上で通過します。

その後、滑走路32へはFUBKIへ

滑走路14へはSARUKに進みます。

ウェイポイントのTAKAKの部分に楕円形の矢印がありますが、

これはホールディングパターンといって、航空機が待機する場所です。

ヘリコプターの様にホバリングできないので、

この様に楕円形に旋回して待機します。

 

NAGASAKIの枠で囲まれた部分の

116.6 OLEという部分

この部分ですね

これはVOR局の周波数を表しています。

下の— ・-・・ ・は識別用のモールス信号です。

 

アプローチチャート

三つ目はアプローチチャートです。

同じく長崎空港の滑走路32のチャートを用意しました。

NAVGRAPHより引用

このチャートではILS(計器着陸装置)の図です。

矢の羽みたいな図はILSの電波を表しています。

そこにILS DMEと書かれた周波数も同時に表記してあります。

そしてその下の部分は断面を表しています。

 

滑走路までの坂道ができているのが分かります。

 

下と上の図を同時に見ていくと、

FUBUKを2600フィートで通過後、

ILSの電波を捉えて計器の表示に従って飛行すると、

滑走路にたどり着きます。

 

この様にして、航空機も全ての決まり事があるから

安全で安心な乗り物になっているのですね。

 

今回もTAKE SKIブログをご覧頂き、ありがとうございます。

 

 

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