どうも、TAKE SKYのたけです。
皆さんが飛行機の翼付近の座席だった場合、
ふと翼を見てみると、飛行中や離着陸時に、
色んな翼の部分が動くのを知っておられると思います。
あの動く翼の事を大まかに「動翼」と言います。
飛行機は空気を利用して飛行していますので、
翼を動かすことにより空気の流れを制御して
姿勢を保っています。
今回は、この「動翼」について解説していきたいと思います。
先ず、全体の名称を見てみましょう
● 前縁フラップ
前縁フラップとは、主翼の前方部分に装着されており、
前に迫り出すような感じで動きます。
飛行機の揚力(浮く力)を増やす役割があります。
前縁フラップが上がっている状態
前縁フラップが下がっている状態
前縁フラップの操作
ボーイング747の場合の前縁フラップは、
フラップレバーを1度の位置に合わせることで動きます。
ちなみに、フラップレバーは操縦席の、
機長席と副操縦士席の真ん中スロットルレバーの横にあります。
● フラップ
フラップとは「高揚力装置」とも呼ばれ、
飛行機の揚力を増す装置です。
飛行機は速度が落ちると、やがては失速してしまいます。
しかし、離着陸時は速度も低速です。
そこで、翼の面積を広げてやることで、
遅い速度でも失速しないようにしています。
逆に高速の時は邪魔になりますので、
速度に応じてフラップを出し入れできる構造になっています。
扇風機の前で、手のひらを水平にしている時よりも、
少し角度を付けて斜めにしたら、
持ち上がるような感覚があると思います。
全くあれと同じ原理です。
フラップを格納した状態
フラップ5度の状態
フラップ15度の状態
フラップ20度の状態
フラップ25度の状態
フラップ30度の状態
● エルロンと高速エルロン(フラッペロン)
エルロンとは、飛行機を旋回(傾ける)させる役割を持っています。
そしてもう一つ、「高速エルロン」ですが、
巡行中に速度が非常に速い場合は、こちらの高速エルロンが
旋回の役割を担っています。フラッペロンとも呼びます。
高速エルロンを飛行機が水平飛行している時に見てみると、
常に小刻みに動いてバランスを取っているのが良く分かりますよ。
下の画像の矢印部分が高速エルロン(フラッペロン)です。
右旋回時のエルロン
右翼のエルロンが上がると、左翼のエルロンは下がる
左旋回時のエルロン
● エレベーター(昇降舵)
エレベーター(昇降舵)とは、飛行機を上昇又は降下させる役割を担います。
機首上げ(上昇)時のエレベーター
機首下げ(降下)時のエレベーター
● ラダー(方向舵)
ラダーとは、飛行機を左右に振る(機首を振る)役割を担っています。
旋回時の横滑りを制御したり、横風がある場合には、
機首を風の吹く方向に傾け、真っすぐに飛行するように
調節したりする役割を持っています。
機首を右に振った場合のラダー
機首を左に振った場合のラダー
ラダーの操作
ラダーの操作は、足元のラダーペダルで操作します。
右のペダルを押し込むと、左のペダルが前に来て、
左のペダルを押し込むと、右のペダルが前に来るという、
左右対称に動くようになっています。
これで風の影響や、
横滑りに対する飛行機の左右のバランスを制御します。
そしてこのペダルをつま先で踏み込むとブレーキが掛かります。
● スポイラー(スピードブレーキ)
スポイラーとは別名(スピードブレーキ)とも呼ばれ、
空気抵抗によってブレーキをかける役割を担っています。
着陸した瞬間、最大に立ち上がる所をよく見られます。
また、スポイラーの一部は、エルロンの補助としても動きます。
スポイラーを立ち上げたところ
スポイラーの操作レバーは、操縦室真ん中の
スロットルレバー左側にあります。
ボーイング737-800のスピードブレーキレバー
以上で動翼の解説を終わりますが、
解説動画では、マクドネル・ダグラス MD-83の動翼も
紹介していますので、こちらも宜しくお願いします。
今回もTAKE SKYブログをご覧いただき、ありがとうございました。
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