飛行機の姿勢を微調整する「ピッチトリム」とは? - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

飛行機の姿勢を微調整する「ピッチトリム」とは?

航空関連解説

どうも、TAKE SKYのたけです。

今回は、飛行機の上昇降下を微調整する

「ピッチトリム」について解説したいと思います。

 

パイロットが上昇や降下等の操作を行う場合、

ずっと操縦桿を前後に押し倒して操縦しているかというと、

そんなことはありません。

仮に操縦桿だけで上昇降下、ましてや手動で水平飛行する時は、

腕が疲れて仕方ありません。

 

そこで登場するのが「ピッチトリム」という機能があります。

※ スタビライザートリムとも言います。

 

ピッチトリムは、飛行機の操縦に欠かせない重要な装置の一部で、

これがあるおかげで、パイロットは楽に操縦することができます。

 

ピッチトリムの役割とは?

ピッチトリムは、水平尾翼(水平安定板)の位置を微調整することにより、

飛行機の姿勢を調整します。

例えば、パイロットが上昇操作を行う場合、

もちろん操縦桿を引いて飛行機を上昇させます。

同時に「ピッチトリム」を操作して、

上昇角度が釣り合うように調整してあげると、

操縦桿を中立位置に戻しても、飛行機は上昇を続けます。

また、適切なトリム調整により、

軽い力で操縦桿を操作することができます。

 

水平飛行も、パワーとピッチが釣り合うように調整することにより、

ほとんど操縦桿を操作しなくても、

飛行機は水平飛行を続けてくれます。

 

このように、「ピッチトリム」は飛行機の操縦になくてはならない

装置の一つなんですね。

 

ピッチトリムはどうやって操作してるの?

この説明では、画像を使用して見ていきましょう***

 

先ずは「ピッチトリム」の操作部分です。

ボーイング737-800より

操縦桿の左側に、ピッチトリム調整レバーがあります。

トリムホイールとトリム位置表示目盛り

 

分かり難いので、シミュレーター画像を使用して見てみましょう

A トリムホイールと言って、手で回しても調整できます。

B トリム位置表示目盛り

トリムホイールを奥方向に回すと、

ピッチ下げ(機首下げ)に近づく微調整ができます。

逆に手前方向に回すと、

ピッチ上げ(機首上げ)に近づく微調整ができます。

基本的には、操縦桿に付いたスイッチで調整します。

 

操縦桿のピッチトリムスイッチ(レバー)

Aの方向にスイッチをスライドさせることにより、

ピッチ下げ(機首下げ)の方向に向かい、

Bの方向にスライドさせることで

ピッチ上げ(機首上げ)の方向に向かい微調整ができます。

 

このスイッチのスライドの移動量により、

トリムホイールも遅い回転速い回転になり、

視覚的にも、ピッチトリムの動きが分かるようになっています。

 

ピッチトリムを操作すると水平尾翼はどうなるのか?

ピッチトリムは水平尾翼(水平安定板)の位置を微調整してと

前の方で解説しましたが、どの様な動きをするのでしょう・・・

それを見てみましょう***

 

ピッチトリム上げ(機首上げ)方向

赤ラインを基準に見てください。

 

ピッチトリム下げ(機首下げ)方向

この様に、水平尾翼(水平安定板)自体が動いているのが分かります。

この水平尾翼全体が動く構造の事を「スタビライザートリム」と言います。

 

もう一つ、水平尾翼全体は固定してあり、

昇降舵(エレベーター)の一部が動くピッチトリムの構造を

「エレベータートリム」と言います。

エレベータートリムは、昇降舵の一部に「タブ」が付いており、

それを動かすことでピッチの微調整を行います。

 

www.cfijapan.comホームページより引用

 

以上で「ピッチトリム」の役割と構造の解説をさせて頂きました。

今回もTAKE SKYをご覧頂き、ありがとうございました。

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