どうも、TAKE SKYのたけです。
今回は、「自動操縦」に関してお話ししようと思います。
現代の飛行機では、
パイロットは自分で操縦する時間が
「10分にも満たない」
と言われるほど、なくてはならない装置です。
そんな「自動操縦装置」ですが、
ボタン一つで自動操縦という訳ではありません。
それだと、融通が利かないし、
勝手が悪すぎる為、
自動操縦も幾つかの機能に分かれています。
航空機により機能面での違いがありますが、
今回は「ボーイング737-800」で解説していきます。
自動操縦の機能
① オートスラスト (自動で出力パワーを制御する)
② 速度保持 (指定した速度を維持します)
③ 進路保持 (指定したコースを維持します)
④ 高度保持 (指定した高度に上昇降下した後維持します)
⑤ 垂直速度保持 (指定した上昇率・降下率を維持します)
⑥ 自動アプローチ (自動で着陸進入の操作を行います)
自動操縦の操作
ここからは画像を使用して解説していこうと思います。
自動操縦の操作パネルはコックピットのこの部分にあります。
① モードコントロールパネル (自動操縦パネル)
② CDU (飛行管理装置) 自動操縦の内容を細かく入力できます。
自動操縦パネルの各セクション
パネルを拡大して各セクションを説明します。
① スピードを自動制御するエリア
② 進路を自動制御するエリア
③ 着陸進入を自動制御するエリア
④ 高度や上昇・降下を自動制御するエリア
⑤ 自動操縦のマスタースイッチ
⑥ LNAVスイッチ
(CDUに入力した内容により水平方向を自動制御する)
⑦ VNAVスイッチ
(CDUに入力した内容により垂直方向を自動制御する)
各セクションの詳細解説
【スピードを自動制御するエリア】
【着陸進入を自動制御するエリア】
● オートスロットルマスタースイッチ
速度(出力パワー)を自動制御するマスタースイッチ
● 速度選択ノブ
真ん中の白いノブを回して速度を指定します。
指定速度は上部の窓に表示されます。
● 「N1」N1保持スイッチ
「N1」とは、ターボファンエンジンのファンの回転数のことで、
指定した回転数(パワー)を維持します。
指定パワーは通常CDU(飛行管理装置)で行われます。
● 「SPEED」速度保持スイッチ
指定した速度になるようにパワーを自動制御します。
● 「LVL CHG」
現在飛行している高度から、他の高度に変更する場合、
変更後の高度に達するまで、N1パワーを自動制御します。
上昇の場合は、N1リミットまでパワーを上げ、
降下の場合は、アイドリング位置までパワーを絞ります。
変更後の高度に達したら、SPEEDモードに切り替わります。
【進路を自動制御するエリア】
● コース指定ノブ
真ん中の白いノブを回して進路を選択します。
ノブの下の段は旋回のバンク角(傾き)を選択できます。
通常は25度のバンク角です。
● 「HDGSEL」 (進路保持スイッチ)
このスイッチをプッシュすると、
進路を自動制御するようになります。
● 「APP」 アプローチ保持スイッチ
ILS (計器着陸装置) が設置されてある空港の場合、
その電波の周波数を入力することにより、
最終着陸進入のコースを自動で維持します。
● 「VOR LOC」VOR ローカライザー保持スイッチ
ILS (計器着陸装置) が設置されてある空港の場合、
その電波の周波数を入力することにより、
滑走路への中心線のコースを維持します。
● 「LNAV」
CDU (飛行管理装置) に入力された内容により、
水平方向のコースを自動制御します。
● 「VNAV」
CDU (飛行管理装置) に入力された内容により、
垂直方向のコースを自動制御します。
【高度や上昇・降下を自動制御するエリア】
● 高度選択ノブ
左の白いノブを回して高度を選択します。
● 「ALTHLD」高度保持スイッチ
選択された高度を維持します。
● 「V/S」上昇降下率維持スイッチ
このボタンをプッシュすると、上昇降下率を維持します。
右の白いダイヤルで上昇降下率を指定します。
指定した上昇降下率は、右上の窓に表示されます。
指定した高度に到達すると、
自動的に高度保持モードに切り替わります。
【自動操縦のマスタースイッチ】
● 「CMD」自動操縦マスタースイッチ
自動操縦は、2つあるCMD (飛行管理装置) と繋がっており、
AとBの2系統があります。
1系統が不具合を起こしても、もう一つでカバーできます。
● 「CWS」
このスイッチは、フライトディレクターをあてに
手動で操縦する場合のスイッチです。
現在の飛行機では廃止されています。
● 「DISENGAGE」自動操縦解除レバー
オートスロットル以外の自動操縦を解除します。
以上で「自動操縦」の解説を終わります。
今回もTAKE SKYをご覧頂き、ありがとうございました。
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