航空機に搭載されている無線機の種類と解説 - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

航空機に搭載されている無線機の種類と解説

航空関連解説

どうも、TAKE SKYのたけです。

今回は、「航空機で使用される無線機の種類、

その無線機の解説」としてお話したいと思います。

 

航空機の飛行で使用する無線機は、

大きく分けて4種類の無線機が搭載されています。

 

ボーイング737-800の場合、

それぞれの無線機は下画像の赤枠部分に設置されています。

それでは、それぞれの無線機の役割と

使用方法を画像を交えて解説しますね。

 

COM無線機

COM無線機とは、パイロットが管制官と音声通信を行う際に

使用されている無線機になります。

 

ボーイング737-800の場合は、

下画像の赤枠部分に搭載されています。

予備も含めて、2機のCOM無線機があります。

このノブで周波数を合わせます。

スタンバイの周波数をアクティブに切り替えるスイッチです。

無線の種類を選択するスイッチです。

 

【VHF無線】

通常はこの無線を使用して管制官と交信を行います。

 

【HF無線】

太平洋のど真ん中などで、通常の無線が届かない場合に使用したり、

通常のVHF無線が混信したり、電波が弱い場合に、

このHF無線に切り替えて交信を行う場合もあります。

 

NAV無線機

NAV無線機は、航法援助無線施設のVOR/DME(無線標識局)や

ILS(計器着陸装置)の電波を受信して、

コックピット計器に反映させて、

自機の位置などを把握します。

 

場所としては、COM無線機の下にあります。

こちらも、予備を含めて2機のNAV無線機があります。

このノブで周波数を合わせます。

 

ILS等の周波数は、航空チャートにも記載されています。

下の矢羽のマーク横に書いてあるのが周波数です。

この111.70をNAV無線機に入力します。

周波数のスタンバイとアクティブを入れ替えるスイッチです。

 

ADF受信機

ADF受信機では、NDB(無指向性無線標識)からの電波を受信して、

自機から見て、無線局がどの方向にあるか、

又は、2つの曲から自機の位置を計器で知ることができます。

ただ、精度があまり良くなく、

2023年現在では、殆どが廃止されています。

① 無線周波数を、このノブで選択します。

② スタンバイとアクティブを切り替えるスイッチです。

③ ADF受信機の電源スイッチ

④ ADF / ANT 切り替えスイッチ

ADFはAMアンテナと、方向探知用アンテナの2つを組み合わせていますが、

局識別モールス信号が聞き取りにくい場合が発生します。

その際は、一旦ANTモードに切り替えると信号が明瞭になります。

 

下の写真がNDB局です。

● 河和NDB

以前は愛知県知多半島の先端の河和にも設置されていました。

JF2SDR  無線局写真館より引用

2本の鉄塔の間に空中線が張られています。

 

下は、小型プロペラ機のADFの計器です。

無線局の方角に矢印の指針が動くようになっています。

 

次にボーイング737-800の計器です。

赤丸部分がAFDの指針になります。

 

ATCトランスポンダ

ATCトランスポンダとは、

管制官に航空機を識別してもらうために、

現在の航空機名称・高度・速度・飛行方向の電波を送受信し、

管制のレーダー画面上に表示します。

 

飛行する時に4桁の番号を入力することにより、

自機の識別データーが分かるようになっています。

これを「スコーク」といいます。

 

● トランスポンダの設置場所

このノブでスコークコード上2桁を合わせます。

このノブでスコークコード下2桁を合わせます。

TCAS (空中衝突防止装置) のモードスイッチ

TCASは、通常滑走路に入ってからモードスイッチでONにします。

 

マイクセレクタースイッチ

パイロットのヘッドセットや客室のスピーカーなどの選択を

ここで行えます。

この部分のスイッチで、ヘッドセットのマイクや、

機内インターホーン、管制官の声をヘッドセットや

スピーカーから流したりを切り替えることができます。

 

COM無線機の音声のON/OFFやボリューム調節を行います。

 

無線標識等の識別モールス信号のON/OFFや

ボリューム調節を行います。

 

ILSのマーカー識別信号のON/OFFや

ボリューム調節を行います。

 

今回は、「航空機に搭載されている無線機の種類と解説」として

お話させて頂きました。

 

今回もTAKE SKYをご覧いただきまして、ありがとうございました。

 

 

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