飛行機の上空待機の方法 ホールディングパターンの解説 - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

飛行機の上空待機の方法 ホールディングパターンの解説

航空関連解説

どうも、TAKE SKYのたけです。

今回は、着陸空港が混雑等で降りれない場合、

時間まで待機する「上空待機」について解説したいと思います。

 

翼の付いた航空機 (固定翼機) は、

ヘリコプター等のように、その場に留まって

待機することはできません。

当然ですが、ずっと前進して飛行していないと、

落ちてしまいます。

 

経験があるという方も居られるかもしれませんが、

ずっと旋回してて、到着が遅れたって事があるかもしれません。

おそらく混雑状態で、上空待機をしていたのかもしれません。

 

大体この様な場合「空港が混雑しておりまして・・・」

みたいなアナウンスが入ります。

 

しかし、飛行機は適当に旋回して待機しているのではありません。

 

この上空待機には、

「ホールディングパターン」という

上空待機場所の決まりがあります。

 

それでは解説していきますね。

ホールディングパターンの基本

まず、上空待機(以降はホールドと言います)の基本として、

下図のようにレーストラックを描いたようなコースになっています。

△印のウェイポイントやVOR/DMEを起点として、

180旋回して、進み

また180度旋回という様にレーストラック状に待機します。

 

直線部分の名称は下図です。

 

また、下図のように

殆どの場合、航空路や進入路に重なるように

待機場所を定めてあります。

※赤色が航空路

 

ホールディングパターン飛行の決まり

次に、ホールド時の決まりについて解説します。

ホールド時の決まりとは大きく分けて3つあります。

① 旋回率

② 距離

③ 高度

 

①の旋回率とは?

旋回率とは、1秒間に何度旋回するかの事で、

ホールディングパターンでは「標準旋回率」を用いてます。

標準旋回率とは1秒間に3度の旋回の事で、

まちろん真対気速度でバンク角 (旋回角) も変わってきます。

正規の計算をすると面倒なので、

簡易計算で例として解説しますね。

 

簡易式の計算は

3桁の速度の第3桁を抜いて、

7を足せばバンク角が出てきます。

 

例  真対気速度130ノットの場合

13+7=20

バンク角20度での旋回が標準旋回率となります。

 

しかし、大型機のように速度が速い飛行機では

大変なバンク角になってしまいます。

そのような場合には、上限のバンク角の25度

を用います。

 

② 距離の決まり

180度旋回したら、次の旋回を始める地点までの距離も

定められています。

これにも2種類の距離の決まりがあります。

A 時間での決まり

B 距離の指定での決まり

 

Aの時間での決まりは、180度旋回した後、

一定秒進んでまた180度旋回を繰り返します。

 

その時間の決まりとは、

高度14000ft未満では60秒 (1分間)

高度14000ft以上では90秒 (1分30秒) です。

 

つまり6000ftで飛行している場合は、

下記の図のようになります。

次に距離により決まっている場合です。

 

この決まりは航空チャートに記載されています。

先ずは福岡空港付近のエンルートチャート

上下赤枠の場所にホールディングパターンが記載されています。

この場合は、特に距離の記載がありませんので、

基本的には先ほど解説した「Aの時間での決まり」を用います。

 

次に福岡空港のアプローチチャート

Aは最大速度230ノットで最低高度4000ftの制限あり

 

Bは最大速度230ノットで最低高度3000ftかつ、

直線距離20マイル飛行でパターンを繰り返す制限

 

Cは最大速度240ノットで最低高度12000ftかつ、

直線距離53マイル飛行でパターンを繰り返す制限

 

ホールディングパターンへの入り方

ダイレクトエントリ

インバウンドと同じ方向から入る場合に使用します。

パラレルエントリ

インバウンドの反対方向からフックスを通過後、

パターンの外側に出る場合に使用します。

ディアドロップエントリ

インバウンドの反対方向からフィックスを通過後、

パターンの内側に入る場合に使用します。

 

いかがでしたか?

飛行機が混雑していたり、滑走路の閉鎖や

天候の回復を待っている間は、

この様にして飛行機は上空待機します。

 

もしも飛行機に乗った際に、上空待機させられていたら、

この事を思い出してくださいね。

 

今回もTAKE SKYをご覧頂き、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました