どうも、TAKE SKYのたけです。
今回は、飛行機の姿勢を表示する計器、
「姿勢指示器」について解説します。
この姿勢指示器はどこに付いているかというと、
下の赤枠の部分です。
(セスナ式固定翼機の計器盤です。)
飛行機を操縦している場合、雲の中に入ったり、
夜間など、外の風景が見えない場合に起こるとされる
(空間識失調)という、自分がどの様な体勢になっているのか
分からなくなる現象が現れます。
また、雲などで水平線を見間違えている可能性もあります。
そこで重要な計器がこの(姿勢指示器)です。
姿勢指示器は、自分が操縦している飛行機が、
どのような体勢にあるのか
パイロットに知らせるための計器です。
先ずは、この姿勢指示器の見方から解説します。
姿勢指示器の各名称
ミニチュアエアプレーン : 自機を表しています。
人工水平儀 : 水平線を表しています。
バンクインデックス : バンク角(旋回角)を表しています。
姿勢指示器の見方
上の姿勢指示器の状態は、
水平に飛行している状態です。
ミニチュアエアプレーンの翼と水平線が重なっています。
上の姿勢指示器の状態は、
10度の上昇率で上昇している状態です。
ミニチュアエアプレーンより水平線が下に見えます。
上の姿勢指示器の状態は、
5度の降下率で降下している状態です。
ミニチュアエアプレーンより水平線が上に見えます。
上の姿勢指示器の状態は、
10度の上昇率での上昇中で、
かつ13度のバンク角で左に旋回しています。
水平線も右下に傾いています。
飛行機の左窓からは地上が見え
右窓からは空が見えます。
上の姿勢指示器の状態は、
10度の上昇率で上昇中で、
かつ13度のバンク角で、右に旋回しています。
水平線も左に傾いています。
飛行機の右窓からは地上が見え
左窓からは空が見えます。
姿勢指示器の構造
画像で説明している姿勢指示器の構造はとてもアナログな構造です。
みなさんも昔、コマで遊んだ経験があると思います。
平成生まれはどうかな?***
実は姿勢指示器の中には、このコマが入っています。
正確に言うと(ジャイロ)と呼ばれるものです。
この様な感じですね。
丸い水平版を高速で回転させると、
その姿勢を保とうとする働きが生じます。
これを応用したのが姿勢指示器です。
姿勢指示器も回転の軸に
力が加わらないような構造のケースに入ったジャイロが、
計器の奥で高速回転しています。
ケースを左右に傾けたり、上下に傾けても、
中に入っているジャイロは、
同じ姿勢を保っています。
これが姿勢指示器の仕組みです。
なぜこの様なアナログ構造?
最近の飛行機の計器はデジタル表示化が進み、
情報を即座につかみやすくなっています。
ボーイング737-800の姿勢を表示する計器
この様に、速度・高度・姿勢・飛行方向などが
即座に分かるようにまとめられています。
しかし便利な反面、不具合が起きれば大変です。
例えば電気系統が故障した場合など、
最悪計器の表示が消えてしまいます。
消えないにしろ、
コンピューターで分析されている計器は、
信用度がかなり落ちてしまいます。
そのような場合にパイロットが飛行機を
安全に着陸させることができるように、
重要な計器に限って、バックアップ(予備)の
計器が取り付けてあります。
このバックアップ計器は、
最小の電力で、
尚且つアナログで作動する仕組みでなければなりません。
下の画像は、近代化した小型機のコックピットです。
大きな2つの計器画面の上に、
丸い4つのバックアップ計器が見えます。
左から、速度計 姿勢指示器 高度計 磁気コンパス
以上で姿勢指示器の解説を終わります。
今回もTAKE SKYをご覧頂き、ありがとうございました。
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