航空管制のしくみと流れを解説 - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

航空管制のしくみと流れを解説

航空関連解説

どうも、TAKE SKYのたけです。

今回は、「航空管制のしくみと流れ」と題して解説したいと思います。

 

まず、航空管制には6つのカテゴリーに分かれて通信を行っています。

6つのカテゴリーとは

① デリバリー(管制承認)

② グランド管制

③ タワー管制

④ ディパーチャー管制

⑤ 航空路空通管制

⑥ アプローチ管制

の6つです。

 

それでは、大阪伊丹から東京羽田までの仮想飛行で

順番に解説していきます。

 

大阪伊丹空港のスポットに止まっている飛行機

全日空610便としましょう・・・

※通信では(All Nippon 610)です。

乗客の搭乗がひと段落し、CAさんが客室の点検を行っている頃、

パイロットは「大阪デリバリー」に管制承認も求めます。

デリバリー管制(管制認証)

 

パイロット
パイロット
Roquest Dalivery All Nippon610

「こちら全日空610便 管制認証をお願いします」

 

管制官
管制官
All Nippon610 Osaka delivery Go head.

「全日空610便 大阪デリバリーです どうぞ」

 

パイロット
パイロット
All Nippon 610 ,to TOKYO HANEDA, FL270 spot13.

「スポット13番より東京羽田まで、高度27000ft 全日空610便」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, to tokyo haneda airport via Asuka 2 depaeture, Shuttle transition, flight planned route.
maintain flight level 10000, expect flight level 270, squark 2352

「全日空610便、Asuka 2 ディパーチャー Shuttle経由でフライトプラン通りに、

東京羽田空港までの飛行を許可します。 離陸後、高度10000ftを維持してください。

予定巡航高度は27000ft、スコーク2352に合わせてください」

 

パイロット
パイロット
All Nippon610, cleared to Tokyo Haneda airport via Asuka 4 departure Shuttle transition, flight planned route.
maintain flight level 10000, expect flight level 270, squark 2352.

「復唱します、Asuka 2 ディパーチャー Shuttle経由でフライトプラン通りに、

東京羽田空港までの飛行。 離陸後、高度10000ftを維持、

予定巡航高度27000ft、スコーク2352」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Read back is correct. contact Osaka ground 121.7 when ready.

「全日空610便、復唱は合っています。 大阪グランドへ周波数121.7で交信してください。」

 

ドアが閉まり、機内安全放送が流れ始めたころ、

「グランド管制」に引き継がれます。

グランド管制

パイロット
パイロット
Osaka ground, All Nippon 610, Request push back.

「大阪グランド、こちら全日空610便、プッシュバック許可をお願いします。」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, push back approved. Runway 32L.

「全日空610便、プッシュバックを許可します。滑走路は32Lです。」

 

パイロット
パイロット
Push back is approved. Runway 32L,All Nioon610

「プッシュバック許可、滑走路は32L、全日空610便」

 

ここから飛行機はプッシュバック(トラクターでバックしてもらう)しながら、

エンジンの始動を行います。

 

プッシュバックが終わり、エンジンも始動したところで、

滑走路まで地上走行するための許可を貰います。

この地上走行のことを(タキシング)といいます。

パイロット
パイロット
Osaka ground, All Nippon 610, Request to taxi.

「大阪グランド、こちら全日空610便、タキシングの許可をお願いします。」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Taxi to Runway 32L

「全日空610便、滑走路32Lへタキシングしてください。」

※実際には、誘導路のコースも指示されますが、ここでは省略させてもらいます。

 

パイロット
パイロット
Taxi to Runway 32L. All Nippon 610.

「滑走路32Lまでタキシングします。」

 

滑走路32Lに近づく頃にグランド管制から

タワー管制にコンタクトするように指示があります。

タワー管制

管制官
管制官
ALL Nippon 610, Contact Tower 118.1

「全日空610便、周波数118.1でタワーと交信してください。」

 

パイロット
パイロット
Contact Tower 118.1, All Nippon 610

「こちら全日空610便、タワーと118.1で交信します。」

 

パイロット
パイロット
Osaka tower, All Nippon 610, on your frequency.

「大阪タワー、こちら全日空610便、そちらの周波数で交信しています。」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Wind 170 at 3, Cleared for take off runway 32L

「全日空610便、風170度方向より3ノット、32Lより離陸を許可します。」

 

パイロット
パイロット
Cleared for take off runway 32L, All Nippon 610

「滑走路32Lより離陸許可、全日空610便」

 

飛行機はランディングライトを点灯させ滑走を始めます。

離陸後、タワー管制から航空機の離陸から航空路までの、

ディパーチャー管制に引き継がれます。

 

ディパーチャー管制

管制官
管制官
All Nippon 610, Contact Kansai departure on 119.5 Good day

「全日空610便、関西ディパーチャーに周波数119.5で通信してください。いってらっしゃい」

 

パイロット
パイロット
Contact Kansai departure 119.5, All Nippon 610. Good day

「こちら全日空610便、周波数119.5で関西ディパーチャーに通信します。行ってきます」

パイロット
パイロット
Kansai departure, All Nippon 610, flight level 1300 for 10000.

「こちら全日空610便、現在高度1300ftから10000ftに上昇中」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Kansai departure, Rader contact, Kansai QNH 29.82

「全日空610便、こちら関西ディパーチャー、レーダーで捕らえました。

高度補正値29.82」

 

パイロット
パイロット
QNH 29.82, All Nippon 610

「高度補正値29.82、こちら全日空610便」

 

※航空路までは、この様に指示が出されます。

管制官
管制官
All Nippon 610, heading090

「全日空610便、090度の方向に旋回してください。」

 

やがて出発経路から航空路に乗るころ、ディパーチャー管制から、

航空路管制に引き継がれます。

航空交通管制部(航空路管制)

管制官
管制官
All Nippon 610, Contact Tokyo controll 125.7 Good day

「全日空610便、東京コントロールと周波数123.7で交信してください。いってらっしゃい」

 

パイロット
パイロット
Contact Tokyo controll 125.7, All Nippon 610, Good day

「周波数125.7で東京コントロールと交信します。 いってきます」

パイロット
パイロット
Tokyo control, All Nippon 610, flight level 10000.

「東京コントロール、こちら全日空610便、現在高度10000ft」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Clime and maintain 270.

「全日空610便、上昇して27000ftを維持してください」

パイロット
パイロット
Clime and maintain 270, All Nippon 610.

「こちら全日空610便、27000ftに上昇し維持します。」

 

東京アプローチの管制圏内に近づくと、東京コントロールから

アプローチ管制に引き継がれます。

アプローチ管制

管制官
管制官
All Nippon 610, Contact Tokyo approach 119.1

「全日空610便、周波数119.1で東京アプローチと交信してください。」

 

パイロット
パイロット
Contact tokyo approach 119.1, All Nippon 610

「こちら全日空610便、周波数119.1で東京アプローチと交信します。」

 

パイロット
パイロット
Tokyo approach, All Nippon 610, Leaving FL200 for 150, information juliett.

「東京アプローチ、こちら全日空610便、高度20000ftから15000ftに降下中、

空港情報 J を取得済み」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Fly heading 090 for vector to ILS runway 34L final approach course.

「全日空610便、機首を090度方向に旋回し、

ILS滑走路34Lの最終着陸コースへ向かってください。」

 

パイロット
パイロット
All Nippon 610, heading 090 for vector to ILS runway 34L final approach course.

「こちら全日空610便、方位090に旋回、ILS滑走路34L最終アプローチコースへ向かいます。」

 

やがて空港に近づくとアプローチ管制からタワー管制につながれます。

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Contact Tokyo Tower 118.1.

「全日空610便、周波数118.1で東京タワー(管制塔)と交信してください。」

 

パイロット
パイロット
Contact Tokyo Tower 118.1, All Nippon 610.

「こちら全日空610便、周波数118.1で東京タワーと交信します。」

 

パイロット
パイロット
Tokyo Tower, All Nippon 610, Approaching AZURE.

「東京タワー、こちら全日空610便、AZUREへ接近中」

 

管制官
管制官
All Nippon 610, Cleared to land runway 34L, wind 130 at 3

「全日空610便、滑走路34Lに着陸を許可します。風130方向から3ノット」

 

パイロット
パイロット
Cleared to land, runway 34L, All Nippon610.

「こちら全日空610便、滑走路34Lに着陸許可」

 

航空機が着陸すると、タワー管制からグランド管制に引き継がれます。

管制官
管制官
All Nippon 610, turn right A6, contact Tokyo ground 121.7.

「全日空610便、誘導路A6へ右に曲がって東京グランドと周波数121.7で交信してください。」

 

管制官
管制官
A6, Contact Tokyo ground 121.7, All Nippon 610.

「こちら全日空610便、誘導路A6に入り、東京グランドと121.7で交信します。」

 

以上、このようにして、管制業務は出発から到着まで引き継がれながら、

常に安全運航できるように守られているのですね。

 

今回は「航空管制のしくみと流れ」と題して解説しました。

 

今回もTAKE SKYをご覧頂きありがとうございます。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました