視界不良でも飛行機が着陸できる謎! 空港の ILS (計器着陸装置)について - フライトシミュレーターと飛行機の雑学館 TAKE SKY

視界不良でも飛行機が着陸できる謎! 空港の ILS (計器着陸装置)について

航空関連解説

どうも TAKE SKYのたけです。

今回はILS(計器着陸装置)について説明したいと思います。

 

皆さん、この様な事を思ったことはないですか?

「霧が掛かっていて、視界も悪いのに何で着陸できるの?」と・・・

怖い! って思う人も居るでしょうね・・・・

 

安心してください。

そんな時力強いのが、主要空港に設置されている

計器着陸装置、通称ILSです。

 

ILS (計器着陸装置) とは?

 

ILSとは、(Instrument Landing System)の略で、

日本語で言うと「計器着陸装置」といいます。

 

ILSを簡単に説明すると、

滑走路から飛行機に向かって誘導する電波を発射して、

飛行機を安全に着陸させるための装置です。

 

ようは滑走路に向かって、電波の坂道が有るということです。

こんなふうに↓

総務省より引用

このILSは2つのアンテナから成り立っていて、

電波を発射しています。

空港でもそのアンテナは見ることができます。

 

水平方向の誘導を行う「ローカライザー」

このアンテナは滑走路末端部分に設置されています、

 

次に垂直方向を誘導する「グライドスロープ」

滑走路の脇に立っています。

手前の白いアンテナが3つあるのがグライドスロープアンテナ

奥の棒状がDMEアンテナ

DMEは航空機にアンテナからの距離を教えます。

 

飛行機の計器では、どの様に表示されるの?

 

次に飛行機の計器ではどの様に表示されるかを見ていきましょう。

先ずは小型飛行機、セスナ172の場合

セスナにはこの様なCDIという計器が搭載されています。

これは航法無線機と繋がっていて、

指針の動きでパイロットに適切なコースを教えてくれます。

縦の指針がローカライザ(水平方向の誘導)

横の指針がグライドパス(垂直方向の誘導)

画像のように、この指針が中心に交わっていれば

適切なコース上を飛行していることになります。

 

実際の表示例

※ パイロットは、計器の指針を追いかけるように操縦します。

 

進入コースより、高度が高い場合

指針が下にあるので降下率を上げて修正します。

 

進入コースより、高度が低い場合

指針が上にあるので、水平飛行をして修正します。

 

進入コースより、右にズレている場合

指針が左にあるので、左に旋回して修正します。

 

進入コースより、右にズレている場合

指針が右にあるので、右に旋回して修正します。

 

 

次に旅客機の場合も基本は同じですが、

少し計器が違います。

上図の赤枠の部分が、セスナの縦の指針と横の指針になります。

上図の赤縦枠内がグライドパス(上下方向の位置)

赤横枠内がローカライザー(水平方向の位置)になります。

 

上の計器から読み取れるのは、

横方向のマークが左側にあるのは、

滑走路中心線より中心より右にズレている

 

縦方向のマークが若干上にあるのは、

進入コースより少し低いことを意味しています。

 

つまり既定のコースより右側を飛行しており、

高度も若干低い状態です。

この場合は、左に少し旋回して、

高度を水平に保ち、グライドスロープが中心に来るのを待ちます。

今回はILS(計器着陸進入)の解説をしましたが、動画もありますので、

こちらも是非どうぞ

 

ILS (計器着陸装置) の電波のしくみ

ILSの電波で、どうして位置がわかるのでしょう?

それは、同じ方向に発射している電波でも、

2種類を組み合わせて、これを可能にしています。

 

下の図をご覧ください。

上はグライドスロープの電波の例

下はローカライザーの電波の例です。

 

 

例えばローカライザーを例にとると、

90Hzの電波が強く150Hzの電波が弱いほど、

指針は左に動きます。

90Hzと150Hzの電波が同じ強さだと、

指針は中央を示します。

 

これが、ILSの電波の仕組みです。

 

いかがでしょうか?

視界不良でも、飛行機が着陸できる謎・・・

ILS (計器着陸装置) の事を少し分かって頂けたら幸いです。

 

今回もTAKE SKYをご覧頂き、ありがとうございました。

 

 

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